散骨
最も有名な散骨は、海に遺骨をまく海洋散骨です。海洋散骨は、海洋葬と呼ぶ場合もあり、近年では多く行われるようになっています。海のほかに、山や空に遺骨をまく散骨の方法もあります。散骨する際には、遺骨を2mm以下の粒状に砕く、粉骨を行なう必要があります。散骨の業者に依頼すると、粉骨も行なってくれるので安心です。散骨による供養は、墓石だけでなく墓標そのものをいらない、自然に還る意義に重きを置きたいという方に向いています。なお、遺骨を無断で山や海へまくことは法律で禁じられています。散骨が認められている場所のみで行なうことができます。
デメリット
散骨のデメリットは、もしやはりお墓を建てたいと考えた場合に、肝心の遺骨が手元になくなるといった点です。また、散骨できる場所が限られるという点もデメリットとして挙げられます。市町村によっては、条例で散骨を禁止している場合もあるそうです。
手元供養
多くの場合、遺骨は墓地や寺院などで埋葬し供養しますが、埋葬の必要性が法律などで規定されているわけではありません。手元供養は、自宅供養とも呼ばれ、近年人気の供養法となっています。手元供養とは遺骨を自宅で管理し供養する方法です。通常の場合、遺骨は骨壺に納められたうえで白木の箱に入れられます。この箱は白い風呂敷で包むのがしきたりです。手元供養では、白い風呂敷で包んだ箱をそのまま自宅に安置しておく方法と、改めて保管用の骨壺に遺骨を移して安置する方法があります。ただし、自宅の庭などに遺骨を埋めることは法律で禁止されているので、絶対にしてはいけません。手元供養で用いる保管用の骨壺は、凝った意匠がされていることが多く、そのまま部屋に置いても違和感がありません。また、遺骨をオブジェの形にして自宅で供養することも可能です。以前は手元供養という用語自体がありませんでしたが、ここ10年ほどで一般的になりました。さらに、自宅に遺骨を置いて供養するだけでなく、ロケット型のペンダントなどアクセサリーの中に遺骨を入れて身に着ける方法もあります。手元供養では、お墓を建てる費用がかからないだけでなく、供養のためにお墓参りに出向く必要がありません。また、自宅に遺骨を置いておくことで、故人の存在を常に身近に感じることができます。特定の誰かに遺骨を大事にしてほしいという方に向いています。
デメリット
手元供養のデメリットとしては、遺骨を破損・紛失するおそれが挙げられます。遺骨を手元に置いておくメリットが、そのままデメリットに変わる恐れがあると言えます。