4月 2018

考えられる遺品整理トラブルとは


こんにちは堀川です。
遺品整理をする際に起きがちなトラブルや問題とはどのようなものでしょうか?
今回は近年出てきたその一例をご紹介します。

賃貸の退去問題

以前は持ち家を持っていることが多かったかと思いますが、近年は賃貸を利用する方も多いようです。
賃貸でひとり暮らしをしている方が亡くなった場合は、速やかにその部屋を明け渡す必要があります。
遺品が少なければよいのですが「汚部屋」だった場合は大変です。
また、遺族が遠方に住んでいる場合は、限られた時間で遺品を整理しなければなりません。

価値がよく分からない品が残された場合

美術品や骨とう品、さらにコレクターズアイテムなどが残された場合も問題が起こりやすいです。
価値があるものが多い場合は、遺族の中で誰が受け継ぐかもめることも多いでしょう。
また、取っておこうという人と売り払ってしまおうという人が対立した場合は、もっとややこしいことになる可能性もあります。さらに、価値がよく分からない品が残されて捨ててしまったり格安で売り払ってしまったりした後に真の価値が分かった場合も、トラブルに発展しやすいでしょう。

形見分けを要求してくる人が出てきた

以前書いた「コレクションの遺品整理」に関連するのですが、
美術品や骨とう品など、何かをコレクションしている人は、コレクターズ仲間がいる場合があります。
コレクターの方が亡くなると残されたコレクションを受け継ぎたい、という人が出てくることもあります。
故人が遺言で「コレクターズ仲間に形見分けをしてほしい」と残した場合は、問題ありません。
しかし、「これを譲ってくれると生前言っていた」と自称する人が多数出てくる場合もあるのです。
特に、故人が有名なコレクターだった場合は、コレクションを巡って第三者が口をはさんでくる可能性も高くなるでしょう。

以前の遺品整理と現在の遺品整理

こんにちは堀川です。
故人の遺品整理で悩む方が増えています。
ではなぜ一昔前まではあまりなかったトラブルや問題が次々と起こるのでしょうか。
遺族が故人の死を悼むどころではないケースもあるのです。
そこで、今回は以前の遺品整理と現在の遺品整理の違いについてご説明します。

まず、一昔前まで遺品整理はそれほど大変なものではありませんでした。
2世代3世代の同居はごく普通でしたから、個人の持ち物はそれほど多くなかったのです。ですから、衣料や愛用品を形見分けという形で配ってしまえば、それで終わりでした。

しかし、今はひとり暮らしをしている高齢者も珍しくありません。
亡くなった後は家財道具一式が残されることも多いのでしょう。
さらに、ゴミの分別も厳しくなり、「いらないものはまとめてゴミ捨て場へ」というわけにもいきません。また、着物や食器などが山のように残されていて引き取り手がおらずに困ってしまった、という方も多いでしょう。

一概には言えませんが、法律というのは問題が発生してから後追いで作られるため、以前は考える必要のなかった「テレビ」「冷蔵庫」「洗濯機」「乾燥機」「エアコン」のリサイクルを定めた家電リサイクル法や「それ以外の汎用家電」に対応した小型家電リサイクル法などが増えています。
以前はなかったルールが追加されたことで遺品整理を煩わしくしているのは間違いないでしょう。

合計特殊出生率低下の合併症

こんにちは堀川です。
現在日本が少子超高齢化社会を迎えているのはご存知の通りですが、それが遺品整理とどのような関わりがあると思われますか。下記の国別出生率に記したように日本の出生率(15~49歳の年齢別に何人の子供を産んだかの平均を合算したもの) は1.44です。

日 本        1.44
韓 国       1.17
シ ン ガ ポ ー ル 1.20
ア メ リ カ    1.82
フ ラ ン ス    1.96
ド イ ツ      1.50
イ タ リ ア    1.35
ス ウ ェ ー デ ン 1.85
イ ギ リ ス    1.80

厚生労働省 平成 29 年(2017) 人口動態統計の年間推計より抜粋

今後1.42~1.44で推移する見通しが示されています。その中で人口は53年に1億人を割り、65年には8808万人に減少すると推計されています。
つまりは以前は多数の兄弟をもって分担することができていた遺品の整理を、およそ1人で行わなければいけない社会となってきているのです。経験された方も多いと思うので、引っ越しを例に挙げますが、暮らした家から一軒分の荷物を取捨選択し梱包運搬する作業は並みエネルギーではないと思います。大きな家となればその負担も増えるでしょう。そしていざ整理を始めても思い出が蘇りすぐに手が止まってしまうなど、そんなお話を多く聞きます。また、遠方に住んでおりなかなか帰る時間がないなどもあるでしょう。そんな時は質の良い遺品整理業者を選び声をかけてみることも負担を軽減を図るうえで必要かもしれません。

安ければ良いは危うさを孕む

こんにちは堀川です。
遺品整理業務は決して価格帯の安いものではありません。なので決まって相見積りを取られていることが多いのですが、お客様に話しを聞くとほとんどが違法業者である実態がわかります。
不用品を捨てるためには廃棄物処理法に則って処分を行わなければいけないことが決められている為、私たちは遺品整理の見積りにおいて、まず当社が一般廃棄物の収集運搬許可を持っていない地域(小郡市以外)では家庭から不要となったものを処分するにはその地域の自治体から許可をもらっている業者しか収集運搬出来ない事を、お伝えしています。

では小郡市外の遺品整理において当社は何ができるのかというと、

・ご遺品の整理

・貴重品、形見分け、思い出の品々の選別(探してほしいものの聞き取りをさせていただき選別を行います)

・その地域のルールにのっとった不要となった品々の分別及び袋詰め(煩わしい地域ごとの仕分のルールを調査し適正に処分します)

・家電リサイクル品の手続き及び収集運搬(当社は自治体からの推薦を受け、家電リサイクル券の取り扱い事業所に登録しておりますので面倒な手続きはありません)

・整理し終わった不要な品々の搬出(臨時での回収は行うが仕分・搬出を行っていない自治体もあります)

などなど・・・

なので見積りに来た業者が一切合財全て持っていきますよ!と言ったら、危険な業者だと思ってください。
また家電リサイクル5品目(TV、洗濯機、エアコン、冷蔵庫、乾燥機)を処分依頼した時にメーカーや大きさ等を調べない業者さんも危険です。メーカーや大きさによりリサイクル料金は異なりますし家電リサイクル券を発行しない時点で国のリサイクルにのっとって処分していない証拠でもあるからです。
他にもたくさんありますが見積り依頼された場合は先ずはこの二点を注意深く確認してみてください。

集合住宅の一角で見たもの

こんにちは堀川です。
今回は集合住宅にて遺品整理をさせていただいた案件のお話です。

遺品整理業務や特殊清掃業務のご依頼はやはり戸建ての住宅が多いのですが、時折集合住宅からもお話をいただきます。

そのお宅は片付けが苦手でごみを溜め込んでしまう故人が家族で暮らしたのち、一人で暮らすようになられたそうで、病院で亡くなった後にご親族から遺品整理のご依頼をいただきました。

入院されている間、家はそのままの状態だったそうです。捨てられずに山のように溜め込まれた不用品から害虫が発生し、天井からは蜘蛛の巣が垂れ下がり、壁紙はボロボロで、障子には穴が開き、床の木材は湿気の為かブカブカになっていました。

ご遺品から見えてくる生前の様子

私たちはご遺品を探しつつ不用品の処分をお手伝いをする中で故人が生きてきた軌跡や、なぜ孤立することになってしまったのかなどを思いがけず知ってしまうことが多くあります。特に、「土地の権利書」や「お札」「写真」などの紙媒体のものを見つけて欲しいというご要望をいただいた際には封筒や本、ノートの中も細かく確認する為、そこに書いてある言葉も意図せず目に飛び込んできてしまいます。

こちらのお宅では家族のコミュニケーションの一つとしてノートを使っていらっしゃったようでした。例えば「冷蔵庫にごはんがあるので温めて食べてね」といった普通の内容が書かれていました。

他愛もないメッセージのように見えますが、その実は家族の擦れ違いから同じ時間に食事ができなかったのだろうかなど悲観した思いがよぎり、胸が締め付けられます。

家族ごとの生活のあり方は様々あると思いますが、そのような瞬間には、ご依頼をいただく方にできる限り寄り添い、心のこもった遺品整理を行いたいという思いを一層強く意識してしまうのです。

コレクションの遺品整理

遺品整理をおこなう際に苦労することの1つとして、故人が何か集めるのが好きだった場合のコレクションの扱い方があります。

切手を集めていたり、シールを集めていたり、お皿を集めていたり…
テレビに出たりするような本気の収集家はそういないかもしれませんが、ちょっとした趣味の品物を集めておく癖があったという方は多いのではないでしょうか。

そうした方が亡くなられた場合、ご遺族の方はそれらの収集品をどうするかに困ってしまうことがよくあります。
たくさん集められたそれらの品々にどの程度の価値があるのか、よくわからないからです。

価値がわからないために捨てるにも売るにも決断が鈍り、たとえ買取業者に見てもらったとしても、その査定額が妥当なのかどうかも判断がつかない。
結果として、どうしたらよいのかまったく決められなくなってしまうのです。

品物の一覧を作ってもらいましょう

これを防ぐための方法は、収集家ご本人に品物の一覧を用意することです。
収集家ご本人がすでに亡くなってしまっている場合はどうにもできませんが、まだ元気でいらっしゃるのなら、今のうちにそれら品物全てについて少なくとも以下の4つの項目をまとめた一覧表を作ってもらいましょう。

・便宜的な識別番号
・品目
・由来
・購入価格

すべての品物について最低でもこれらの項目がはっきりしていれば、知識のない家族や親戚にも少しはその物の価値がわかりやすくなり、ご本人が亡くなられた後の整理作業がやりやすくなるでしょう。捨てるにしても残すにしても買い取ってもらうにしても、何も知らないよりその決断に際しての心境が大きく違うはずです。

収集癖がある人は、他のことにはズボラであったとしても収集対象の品物についてはマメな人が多いため、この一覧表作成作業は意外に乗り気でやってくれたりします。
「旅立ち」を間近に意識するような年齢や体であればなおさらです。「あなたが大切にしてきた物だから、あなたがいなくなった後にもしっかりと扱っていきたいのです」という気持ちを一緒に伝えれば、互いの間にある絆もより深まるのではないでしょうか。

一覧表を作るこの作業は、ご本人にとっては生前整理に近いものとなります。この作業が、他の家具や日用品についても整理を始める切っ掛けとなることができれば、ご家族にとってはさらに助かるのではないでしょうか。