5月 2019

遺品整理と特殊清掃の現場から①

いつもご覧いただきありがとうございます。
遺品整理士の堀川です。

先日、遺品整理と特殊清掃をご依頼いただき作業を行いました。
アパートの1室でご兄弟が亡くなったとのご連絡を受け、現状確認とお見積りでお伺いしました。
私たちの行う作業は特殊なので、何度かに分けてご紹介したいと思います。

死臭がどの程度か

仕事の癖でアパートと聞いてまず考えてしまうのが、壁紙と床の状態です。お亡くなりになられた日からどれだけの期間で見つかったかによりお部屋の状態は全く違います。どのような場合でも亡くなった後しばらく経つと死臭が発生します。死臭は経過時間により布製品や壁紙に染みつき、ひどい時には壁紙の奥の下地やさらにその奥の石膏ボードの交換が必要となることもあります。

亡くなった後の体

また、亡くなった後の体は放置されると気温・室温にもよりますが、腐敗し溶けていきます。建築物の2階以上で亡くなった場合には時間が経つと階下へ浸潤していき、下の住居にも影響を与えます。1階部分で亡くなった場合でもひどい時には基礎部分へ体液が浸潤することがあります。そういった場合には塩化ビニル製のシートビニルの床ならばある程度浸潤が抑えられシートビニルの交換で済むこともありますが、フローリングなどの木製床材では床材そのものの交換と床下地コンパネ、床材と密着する巾木材などの交換が必要となります。もしフローリング床材だった場合は板と板の隙間に細い溝がある為、その溝に体液が流れると毛細管現象により広い範囲に広がる為思っている以上に侵食されている範囲は広くなります。

お墓を引き継ぐ方法③

いつもご覧いただきありがとうございます。
遺品整理士の堀川です。

今回は前回書かせていただいた遠方のお墓の引き継ぎについて書きたいと思います。

2.近くにお墓を建て2つお墓を持つ(分骨)
分骨は古いお墓から遺骨の一部を新しいお墓に移動します。お墓を撤去する費用や書類の手続きも少ないので新しくお墓を購入する費用だけで済みます。お墓は2つなので維持費は2倍かかりますが、何時間もかけてお参りに行くために家族の予定を合わせる必要はなくなります。また、今までお参りするのにかかっていた交通費もうきますので年間の維持コストとしては同じくらいかもしれません。また、お墓参りや掃除を代行業者に依頼することも出来るので年に一度は依頼しても良いかもしれません。

3.2つのお墓を後々1つにする(分骨後改葬)
改葬では最初に掛かる費用が高くなるため、はじめは分骨したお墓を2つ管理します。費用は新しいお墓の金額と何年間かは維持費が2倍かかりますが、「分骨」と「改葬」を2回に分けてお墓を整理出来るので時間の面ではゆとりを持って対応が出来ます。数年は新しいお墓でお参りして慣れてから古い方のお墓を現地で撤去し遺骨を改葬します。残っている遺骨は現地で永代供養してもらっても良いかもしれません。

お墓を引き継ぐ方法②

いつもご覧いただきありがとうございます。
遺品整理士の堀川です。
昨今、都市部への人口移動による過密化により、地方では過疎化と高齢化が進み、家やお墓を次の世代に守って欲しいと思う親が増える一方で家制度の廃止による核家族化で思うように継承がうまくいかなくなっています。住む家は市内のマンションなどを2つ別々に購入する方法や二世帯住宅にリフォームするなどいろいろな方法がありますがお墓はそう簡単に移動は出来ません。住所移転後などにお墓の管理者に住所変更届けを出し忘れることなどがあり、知らないうちに無縁墓になってしまうこともあるようです。
家族形態の変化により、お墓の管理も難しくなっていくかと思いますが、そのような時に考えられる方法を書いていきたいと思います。

遠方のお墓を解決する3つの方法

1)遠くのお墓を家の近くに移動する(改葬)
2)近くにお墓を建て2つお墓を持つ(分骨)
3)2つのお墓を後々1つにする(分骨後改葬)

1.遠くのお墓を家の近くに移動する
改葬するには新しいお墓に遺骨も全て移動して古いお墓を撤去して更地にする必要があります。費用も全国平均では250万円ほどかかります。移動する遺骨の数によっては一部を土に還して埋葬します。最初に掛かる料金は高くなりますが、お墓を維持する費用は1分の年間管理料で済みます。

先祖代々のお墓を引き継ぐ方法①-お墓の改葬-


いつもご覧いただきありがとうございます。
遺品整理士の堀川です。
昨今墓じまいする方が増えているかと思いますが、それでも先祖代々の墓をなくしてしまうのはどうかと思われる方もいらっしゃるかと思います。墓じまいの理由の多くが、お墓が遠くにあり管理ができない。というものですが、それであれば解決策があります。

お墓の改葬(引越し)

団塊の世代から移り変わり、子供や孫たちの世代が転勤や住居移転などで利便性の高い都市部を中心としたマンションなどに移り住むケースが増え、お墓は昔からあるが移転前の場所で遠い。交通の便が悪い土地にに何十年も続く「先祖代々之墓」があるなんていうのも珍しくありません。定年を迎えこういった地方にお墓を持っている家族でお墓参りが出来なくて困っている。墓石の清掃をお願いできないかと相談されることがあります。先祖を尊び大切にしてきた世代でもあるため最近よく聞く「永代供養墓」には入りたくないと考えている方も多いようです。

そのような方々に上記の「お墓の改葬(引越し)」をお伝えしたいのですが、終活中の方でもお墓は既に持っているので相続や葬儀が話題の中心になりやすい傾向があります。しかし、墓を相続される方がお参りに行く時や、地方の遠い霊園に車で数時間かけて移動するか新幹線やバスを使って移動しなければお墓参りに行けない場合はどうでしょうか。

住んでいる近くの場所に移動しておいた方がお墓参りもしやすく無縁墓にもなりにくいので安心して供養が出来るのではないでしょうか。改葬をする上で注意としては、お墓はその特性上「永代使用料(土地代)の返還・転売」は出来ません。つまり家やマンションとは違い売買することが出来ないため資産にはなりません。ただ、資産として利用出来ない代わりにお墓には相続税が必要ありません。

墓じまい後の墓石の行き先

いつもご覧いただきありがとうございます。
遺品整理士の堀川です。

以前お墓を持たない方が増えていると書きましたが、最近読んだ新聞で「墓石の墓」という特集が組まれていました。印象的な内容だった為、今回は墓じまい後の墓石がどうなるのかをご紹介しようと思います。

多くの墓石は産業廃棄物となる

端的にどうなるかというと、墓じまいした墓石は「魂抜き」をされているので、通常の石材と同じく「産業廃棄物」としてリサイクル処分されることが多いようです。しかし、墓石は宗教的な意味合いの強い物のである為「全てが破砕してリサイクル」されるわけではありません。ただ、寺院などでは墓地の空き区画などに石塔だけを積み「無縁墓」として住職が供養を行っているところもあります。

「産業廃棄物」として処分される場合は、引き取った墓石をある程度の大きさにわって「産業廃棄物収集運搬業の許可業者」に「マニフェスト」などの公的書類を作成しもらい、自然石を加工した「鉱さい」として処分します。しかし、この墓石の処分に際して新聞やニュースでも話題になったような悪質な業者の不法投棄で「墓の墓場が出現」するなど社会的な問題が起こっています。

「お墓の改葬」や「墓じまい」をして墓石を処分するときは、金額だけでなく信頼できる会社に依頼することが重要です。