7月 2019

海に故人を感じられる海洋散骨

いつも遺品整理士はミタをご覧いただきありがとうございます。
遺品整理士の堀川です。

先日テレビをつけると、名優として世間で名が知られ、志半ばに交通事故で亡くなった萩原流行さん。その奥様が、流行さんの遺骨を海洋散骨することを決意して海に散骨するまでに密着した番組が放送されていました。

萩原流行さんは生前から海洋散骨を希望されていたようですが、奥様はバイク事故のケジメがつくまで散骨に踏み切れなかったそうです。心の整理がつくタイミングは人それぞれですね。ほとんどの場合、散骨を決断するのは残された遺族です。故人が釣りが好きだったり、海に思い入れがあったり、故人の希望であったり色々な理由から海洋散骨を考えられると思います。散骨をすれば、自分のもとには残らないかもしれませんが、心の中や海を見れば永遠に故人の笑顔が残ると私は思います。

海洋散骨

散骨は、節度をもっておこなえば法的に問題はありません。日本における遺体の埋葬に関する規制は「墓地埋葬等に関する法律」で定められています。この法律では、自宅の庭など墓地ではない場所への遺体の埋葬を禁止していますが、散骨を禁止する規定はなく、一部地域の条例を除いて法規制の対象外とされています。故人が亡くなるとお墓に埋葬するのが当たり前のように考えられていますが、日本人は古来より亡骸を火葬して山や海に撒き、自然に還すという考え方が一般的でした。現在のように家族がひとつのお墓に入る風習は明治以降に広まった方法であり、ここ100年ほどに始まった新しい習慣といえます。

海洋散骨が増えている背景

海洋散骨を希望される方は10年前の2倍になっているそうです。これは最近になって、お墓に入るという固定観念から自由になり、人間が生まれた本来の場所である自然に還りたいと考える人も多くなったことが影響しているのかもしれません。また、現代社会における核家族化・少子化の進展により、特に都市部において、お墓の維持・取得に関わる問題・不安を抱えている人は多く、海洋散骨という方法は、そういったニーズにあっているとも言えます。自然環境保護への関心の高まりにより、野山を切り開いて墓地を作るよりは、遺骨を自然に還し、故人の眠る自然環境を大切にしていこうというエコロジー思想も背景にあります。

お墓参りの基本作法③


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今回もお墓参りのことについて書きたいと思います。

お墓参りの手順

まずはお墓のお掃除から始めます。墓前で合掌してから枯葉などの目立つゴミを拾い、墓石に水をかけながら雑巾で汚れを落とします。たわし・歯ブラシなど硬いもので擦ると墓石にキズがつき、石の艶が落ちてしまいますので、柔らかい布やスポンジを使うようにしましょう。
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掃除が終わったら、手桶にきれいな水を汲み柄杓で墓石に打ち水をして清めます。
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花立にお花を、水鉢(墓石中央のくぼみ部分)に水をいれ、お供え物を置きます。
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線香をあげ、合掌します。線香に火を付けたら、口で吹き消さず手で振るようにしましょう。複数人でお墓参りに訪れている場合は、お墓に眠る故人と近しい間柄の人から順番にお参りをします。
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お参りが終わったらお供え物は持ち帰り、自宅でいただきましょう。そのままにしておくと墓石にシミやサビができたり、カラスが食べ散らかしたりしてしまいます。線香はそのまま燃やし切ります。お花はそのままにしておいて構いません。

お墓参りをすることで

お墓参りをしてご先祖様を供養することで、家族を大切にする心が育まれていきます。亡くなった人の冥福を祈る、慈しみの心。「見守ってくれてありがとう」と思う感謝の心。家族のことを思いやり慈しむ心。そういった気持ちが自然と身につきます。遠方という理由からお参りする機会がなくなっている方も多いかと思いますが、お墓参りは子や孫、次世代にも受け継ぎいていくべき日本の文化といえるかもしれません。小さい頃は意味がわからなくとも、家族でお墓参りに行き、大人達の真摯な姿勢を見て感じ取っていくでしょう。私は実家の近くにあるお墓まで4時間くらいかかりますが毎年お盆、年末年始はお墓参りをしています。“お墓参りは面倒…”と思わずに腰をあげてみると、家族や人を想う心静かなひとときを過ごすことができます。

お墓参りの基本作法②

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今回もお墓参りのことについて書きたいと思います。

お墓参りの時期

お墓参りに行く時期に特に決まりはありません。春彼岸、お盆、秋彼岸、故人の命日、回忌法要などにお墓参りに行く方が多いですが、思い立った時にいつ行ってもかまいません。お墓が遠方にある場合は、年末年始・お盆・ゴールデンウィークなどの長期休暇に合わせて帰省し、お墓参りに足を運ぶという方も多いでしょう。就職、結婚、出産など、人生の節目の時に故人への近況報告を兼ねてお墓参りをするのもいらっしゃいます。

服装と持ち物

“故人に逢いに行く”といった感覚のカジュアルな服装で構いません。お墓の掃除を行いますので、動きやすい落ち着いた色の普段着がよいでしょう。墓地内に芝生や砂利道がある場合は、歩きやすい靴が安心です。お坊さんを呼んで回忌法要などを行うような特別な時だけ、礼服や黒のスーツを着用します。

持ち物としては、掃除で使うぞうきん・バケツ・ゴミ袋などや、お参りに必要な「数珠」「お線香」「ライター・ロウソク(柄や風よけが付いたものが便利)」「お供え物(故人への好きだった食べ物や飲み物などを置くための半紙も)」「お花」も忘れずに持っていきましょう。
※お供え用の花は、花屋やスーパーなどに売っています。一般的には日持ちの良い菊が用いられますが、故人の好きだった花や色を選んでも構いません。その場合は刺がなく、匂いや花粉の少ないものがいいでしょう。

お墓参りの基本作法

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梅雨の時期は雨ばかりで気が滅入りますね。しかし、梅雨が明ければ夏本番となり暑い日が続きますのでそれも堪えます。さて少し早いですが皆様お盆はお墓参りにはいかれますか?遠方でなかなかお参りできないという方もいらっしゃるかもしれませんね。何度かに分けてお墓参りのことについて書こうかと思います。

お墓参りのマナー

お墓参りですがこうしないといけないという決まりはありません。家族のお墓、親戚のお墓、友人のお墓など、お参りに行く先によって宗派やその家の慣習に違いがありますので、基本の流れや一般的な作法だけ頭に入れておけばいいかと思います。

お墓参りの基本の作法

仏教において、五供(ごく)をお供えして合掌することが供養の基本となっています。五供とは、香・花・灯燭・浄水・飲食のことを指します。5つをお供えするのが理想ですが、気持ちが込もっていればすべて揃っていなくても構いません。

・・・線香の香りによって、心と身体が清められると言われています。

・・・清らかで美しい花を供えます。お参りをする人に向けて飾り、心穏やかにする意味もあります。

灯燭(とうしょく)・・・煩悩を消し、明るく照らす光の象徴です。仏壇のロウソクも同じで、お線香に火をつけるためだけではなく火を灯すこと自体がお供えになっているのです。お墓の場合は石灯籠がその役割を果たしており、実際に火を入れることはありません。

浄水・・・清らかな水をお供えすることで、お参りをする人の心が洗われることを意味しています。墓石の水鉢に新鮮なお水を張ります。

飲食(おんじき)・・・私たちが普段食べているものと同じものをお供えします。仏壇の場合ですと、ご飯を盛ったりするのがこれにあたります。お墓には、故人の好物や季節の食べ物などを選んで持っていってあげるとよいでしょう。お参りした後は捨ててしまわず、持ち帰っていただくことで故人やご先祖様との繋がりを表します。

遺品整理・特殊清掃の現場から③

いつも遺品整理士はミタをご覧いただきありがとうございます。
遺品整理士の堀川です。

先日の記事で体液が浸潤することで床やその下のコンパネの交換が必要になることがあると書かせていただきましたが、実際に弊社がご依頼いただいたもので、アパートの2階で亡くなり、上の写真の様にその体液が床下に浸潤したケースがありました。このアパートは床がフローリングで、捨て張り工法で建てられています。捨て貼り工法はフローリングの床材の下にコンパネがありその下は根太が横に這っていてそれを大引きが支えています。(下図参照)

根太は撤去しても後で処置できますが大引きは建物の核となる為、撤去が難しい建材です。なので弊社が行った処置として、塗料を塗布して塗膜により死臭を封入する方法をとりました。どうしても亡くなってから時間が経っていた為処置できない部分がありましたが、除菌剤・消臭剤を使用し極力死臭を抑えることができました。(下写真)

特殊清掃業務はどれだけお客様のご要望に応えることができるかが重要だと思います。しかしながらまだこの業界は法の規制が緩く違法業者や悪徳業者が多いのが現状です。依頼をする場合でもその業者が信用に値するかどうかよく調べて依頼をすることが必要です。