遺品整理士の堀川です。
先日、特殊清掃の業務をさせていただきました。そこは社員寮の一室で、亡くなった原因は持病の悪化によるもののようでした。
まだ残暑の残る季節の中、亡くなってから4日という短い期間でご遺体が発見されたのは不幸中の幸いと言わざるを得ません。しかし、わずか4日の期間でも気温が高いうちは体の腐食が進み、死臭が発見後4日というのを疑うほどにしていました。亡くなっていたのは和室の角の部分で壁に寄り掛かるようにして亡くなっていたようです。和室で砂壁だったこともあり体液が壁や畳に広く滲んでいてそこでどのような態勢で亡くなっていたのが一目でわかるような状態でした。
お客様は寮の管理をされている方で、社員寮ということもあり今まで特殊清掃が必要になったことはなかったようです。リフォームはご自分たちで行うとの要望だったため、こちらからご提案したのは、
汚染個所の体液の除去、全部屋の除菌・消臭、残置物の撤去、砂壁の汚染部分の除去です。
1日で作業を終える必要があった為、初めに全部屋を除菌・消臭しながら残置物の梱包と搬出を行い、途中から汚染部の体液除去と細部の除菌・拭き取り作業に分かれました。残暑が残る中と書きましたが、やはり防護服の中は暑く、ガスマスクの内側にも汗が溜まり揺れているのがわかります。全体の除菌と体液除去まで終われば防護服を脱いで作業を行いますが、それまでは体に影響を及ぼす菌も浮遊していますので防護服は脱げません。
亡くなったのは退職された社員の方だったらしいのですが、社員寮という繋がりの中であったとしても病気や突然の不幸などで亡くなった場合、意識していなければすぐ発見につながらないということがわかる事例でした。発見に至ったのは、「いつもは会うのに数日見ていない」との同僚の言葉からだったそうです。