ご遺品の整理…というより、残置物の撤去と清掃と言った方がより正確な表現のように思える現場も時々あります。

一般の人が通常想像する「遺品整理」と違って、ごみ屋敷のようになってしまっているお部屋のごみをひたすらに撤去していく作業です。

残置物で埋もれるごみ屋敷

残置物_修正有

こちらの写真のお宅がまさにそのような状態でした。
集合住宅ではなく一軒家のこちらのお宅。高齢になってからの故人はセルフネグレクトのような状態で身の回りの掃除や片付けなど一切しなくなり、そのまま亡くなってしまったとのことで、後にはこの残置物だらけの家が遺されてしまいました。

ご遺族から相談を受けた不動産会社からのご依頼でしたが、とにかく凄まじい状態でした。
一軒家の全ての部屋が画像のような状態で、うずたかく積み上げられたごみの山は部屋の天井まで届いており、キッチンもトイレも、果ては押入れの中さえもあらゆるごみでいっぱいでした。

これだけのごみの量があると、とても1日で片付け終わるものではありません。スタッフ3人から4人がかりで3日掛かって、ようやくすべて片付けることができました。

ご遺族からは「家と土地の権利書がおそらくあるはずだから見つけたら保管しておいて欲しい」とのご相談もあり、それもどうにか見つけることができました。
大量のレジ袋やお酒とジュースの空き缶空き瓶の中から時折出てくる封筒やカバンをしらみつぶしにひっくり返してようやく見つけた時には安堵したものです。

残置物からも窺える生前の故人

身長よりも高く積みあがるごみの山を前に途方に暮れていたというご遺族にも喜んでいただけたことは、疲労した私たちに充実感を与えてくれるものでしたが、しかしそれにしても気になるのは、故人はどうしてこんなになるまでごみを溜め込んでしまったのかということです。

ご遺族も故人の詳しい生活の様子はご存じなかったらしく、おそらくはセルフネグレクトだったのだろうと想像することはできても、そこから先はわかりません。

大量のレジ袋に詰められたごみはコンビニ弁当やインスタントラーメンばかりで、自炊していた様子は全くありません。お酒もジュースもどちらも好きだったのか、日本酒の一升瓶や空き缶も多く転がっていました。

その中で妙に印象に残っているのが、ファンタのジュースです。
厳密に数えたり比較したりしたわけではありませんが、片付け作業をしていた中で、どうにもファンタの空き缶が出てくる頻度が多いように感じられたのです。

グレープジュースもオレンジジュースもどちらも多く出てきましたので、味の種類に好みがあったわけではなさそうです。ただ、ファンタのジュースが好きだったということでしょうか。

天井まで積みあがるごみの山は非日常のような光景ですが、故人のこうした些細な好みのようなものが想像できると、途端に身近に感じられて悲しさがこみ上げてきます。
こんなことになる前に、何とかしてあげることはできなかったのか…

残置物でいっぱいのお宅に伺うたびに、いつもそう思ってしまいます。

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