孤独死は、往々にして特殊清掃の作業が必要になってしまうことが多いのですが、その事例の傾向を見ると夏と冬では原因が異なっていることがわかります。

孤独死-夏の原因-

 真夏の孤独死の多くは、実は熱中症が原因です。外ではなく室内にいるのに熱中症で倒れてしまい、そのまま亡くなってしまうというケース。エアコンを使わず、水分もとっていなかったために起こってしまうものです。

今年の夏も、東京都新宿区の住宅で高齢の姉妹二人の遺体が見つかるという痛ましい出来事がありました。近くに住む男性から「部屋の電気がつけっぱなしで、新聞がたまっている」と通報があったらしく、この姉妹の死因が熱中症だったそうです。この家は室内にエアコンも扇風機もなく、なんと団扇が落ちていたとか。

 夏の孤独死は、その腐敗の早さから周りへの影響も大きく話題になりやすいところがあります。 臭いによる被害、ハエなどの害虫による被害、体液などの染み出しによる被害など真夏の孤独死は近隣の住人へ与える影響が大きいのが特徴です。

孤独死-冬の原因-

 冬は、真夏のように熱中症を原因として室内で倒れ孤独死に至るといったことは少なくなりますが、冬には冬で別の孤独死の危険性が潜んでいることに注意が必要です。冬の孤独死は遺体の腐敗も進行が遅く近隣への影響は少なくなりますが、むしろそれによって遺体の発見が遅れてしまうことがあります。 そうなると、何週間、何か月も経ってようやく異臭などに気づいた近所からの通報で遺体が見つかる…ということも。発見が遅くなった分、遺体の腐敗は夏よりも進行してしまっている場合もあります。

 そうした事態を生み出してしまう冬の孤独死、発生する最大の原因は「ヒートショック」です。 寒暖の差が激しい場所の移動により、血圧が大きく変わってしまうことで心臓や血管に負荷が掛かり、心筋梗塞などを起こしてしまう現象が「ヒートショック」と呼ばれています。

暖房などで暖められている部屋から、冷たいトイレや廊下などに出た瞬間や、あるいは脱衣所や浴室など衣類を脱いで冷気に晒される場所が最もヒートショックの起きやすい場所とされています。

 真冬の孤独死案件で多いのも、やはりトイレや浴室などで亡くなられているケースです。特に高齢者で高血圧などの持病を持たれている方が多く見受けられます。

 高血圧の方がトイレに入りズボンを脱いだ際に下半身が冷気に晒されて血圧が一気に変動したり、便秘でトイレで強くいきんだりした際に血管が切れてしまい脳梗塞などで意識を失ってしまったりと、高血圧の方にとっては冬のトイレやお風呂は鬼門ともなりますので特に注意が必要です。

 室内だからと油断せず、夏は熱中症に、冬はヒートショックに気を付けていただくことが、自身の身を守るために必要なことではないかと思います。

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