遺品整理のご相談をいただいた時には、できるだけ色々なお話を伺えるようにこちらからたくさん質問させていただくようにしています。

それはもちろんお見積りのためというのもあるのですが、故人がどんな人だったのかというのを少しでも知りたいと思う気持ちのほうが強くあります。
たくさんのご遺品を整理していく中で故人のお人柄は何となく見えてくるものではありますが、やはり直接故人を知る方からのお話も貴重であるからです。

ただしそこでご依頼者から伺うことのできるお話は、必ずしもいい内容ばかりとは限りません。
故人とそれほど仲がいいわけではなかったという方もいらっしゃるため、こちらから色々とお聞きしたくても最低限の時間しか割いていただけないこともあります。

そうした方は、遺品整理を面倒事だと捉え、「明確な金品類以外は全部処分していい」といった内容のご依頼であることが多く、実際に作業をする側としてはシンプルでわかりやすいご依頼がありがたい反面寂しい気持ちにもなってしまいます。

ご遺品は、故人がそこに確かにいたという証であり、わかりやすくお金になるもの以外をすべて捨ててしまうことは、故人との繋がりやその感情さえも無くしてしまうように思えてしまうからです。

だから私たちは、ご相談者にはできるだけ故人のお話を聞かせていただきたいと思っています。

故人はどんな方で、ご相談者とはどんなご関係で、直近の連絡はいつごろで、その時どんな話をしたのか。
あるいは、故人とはいつごろからよく話したり会ったりするようになったのか、いつごろから疎遠になったのか。
そして、ご依頼者は故人の逝去にどのようなご感情を抱き、ご自身ではそれをどのように思っているのか。

お話いただける範囲で、できるだけ故人とご依頼者のお話を聞かせていただきたいと思っています。

それこそ故人との思い出話から確執まで、どんなことでも構いません。

そのようにしてお話を聞かせていただけたほうが、ご遺品に対する私たちの見方もかなり変わるからです。

どんなご依頼であっても丁寧に業務に当たらせていただくのは当然ですが、そうしたお話を伺っているのといないのとでは、ご遺品に対する私たちの気付きや直感が違ってくるのです。

走り書きされたノート、アルバム、手帳に挟まれた写真、本棚、室内の飾り、などなど…
詳しいお話を聞けていれば、それらの些細な部分に目が留まり、「ひょっとして」を感じることがあるのです。

ご相談者から伺ったお話と故人の実際の感情とが違っている可能性に思い当たったり、誤解からのすれ違いが起きている可能性に気づいたり…

心に触れる遺品整理を目指している私たちにとって、そうした気付きや直感は非常に重要なものです。
その気付きを1つでも多く得られるように、故人に関するお話はどんなことでも伺いたいと思っています。

 

願わくば、遺品整理を通してご遺族が少しでも多く故人の存在と本音に思いを馳せることができるように。

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