遺品整理をおこなう際に苦労することの1つとして、故人が何か集めるのが好きだった場合のコレクションの扱い方があります。
切手を集めていたり、シールを集めていたり、お皿を集めていたり…
テレビに出たりするような本気の収集家はそういないかもしれませんが、ちょっとした趣味の品物を集めておく癖があったという方は多いのではないでしょうか。
そうした方が亡くなられた場合、ご遺族の方はそれらの収集品をどうするかに困ってしまうことがよくあります。
たくさん集められたそれらの品々にどの程度の価値があるのか、よくわからないからです。
価値がわからないために捨てるにも売るにも決断が鈍り、たとえ買取業者に見てもらったとしても、その査定額が妥当なのかどうかも判断がつかない。
結果として、どうしたらよいのかまったく決められなくなってしまうのです。
品物の一覧を作ってもらいましょう
これを防ぐための方法は、収集家ご本人に品物の一覧を用意することです。
収集家ご本人がすでに亡くなってしまっている場合はどうにもできませんが、まだ元気でいらっしゃるのなら、今のうちにそれら品物全てについて少なくとも以下の4つの項目をまとめた一覧表を作ってもらいましょう。
・便宜的な識別番号
・品目
・由来
・購入価格
すべての品物について最低でもこれらの項目がはっきりしていれば、知識のない家族や親戚にも少しはその物の価値がわかりやすくなり、ご本人が亡くなられた後の整理作業がやりやすくなるでしょう。捨てるにしても残すにしても買い取ってもらうにしても、何も知らないよりその決断に際しての心境が大きく違うはずです。
収集癖がある人は、他のことにはズボラであったとしても収集対象の品物についてはマメな人が多いため、この一覧表作成作業は意外に乗り気でやってくれたりします。
「旅立ち」を間近に意識するような年齢や体であればなおさらです。「あなたが大切にしてきた物だから、あなたがいなくなった後にもしっかりと扱っていきたいのです」という気持ちを一緒に伝えれば、互いの間にある絆もより深まるのではないでしょうか。
一覧表を作るこの作業は、ご本人にとっては生前整理に近いものとなります。この作業が、他の家具や日用品についても整理を始める切っ掛けとなることができれば、ご家族にとってはさらに助かるのではないでしょうか。