最近増えてきた「遺品整理」というサービス。昔はなかったものですが、それがどうして最近になって増えてきたのか、理由があります。
遺品整理サービス登場の理由
遺品とは、故人の持ち物のこと。その整理とはつまり、「亡くなった方の持ち物だった様々な物を整理して片づけること」を言います。ここで言う持ち物とは広い意味での「財産」に加えて、思い出や記録にあたるものの他、生活用品や身に着けていたものなど身の回りの品々のことも含みます。少し前までは、通夜から葬儀、四十九日や納骨、といった一連の「亡くなった方への供養」の中に、「形見分け」というかたちで含まれていました。
しかしここ数年、こうした「遺品整理」のあり方は大きく変わってきました。核家族化や離婚の増加、共働きの一般化、単身赴任や独居老人の増加など、家庭・家族のあり方が変化していくようになったからです。
その一方、生活そのものが豊かになり昔よりもたくさんのモノを持つようになったことで、遺された日常的な品々・持ち物・家財道具の量が多くなり、さらに家そのものも無人のまま遺されてしまうなど、「形見分け」もできない状態となってしまうケースが増えてきているのです。
そのため、大量の「遺品」をどのようにして片づけ・整理したらよいのかわからず、「遺品の整理」が遺族の負担になっている様子がうかがわれるようになりました。「遺品整理サービス」とは、そうした社会事情の変化にともなって「遺品整理を専門家に頼む」という需要に応えて登場してきたものなのです。
すなわち、多すぎる品物の片づけ方法がわからない・遠方に住んでいるため時間が取れない、などの事情でどうしても自分たちで片づけ作業を行えない遺族に代わり、多量の品々をひとつひとつ仕分け・整理して、ご不要なものは処分し、捨てがたいものはそのままお渡しすることにより、遺された方々の負担を少しでも軽減する。それが「遺品整理サービス」なのです。
実際の遺品整理サービス作業の様子
これは私たちが実際に遺品の整理作業にあたっているときの写真です。大量の品々を細かく整理し、運び出したり、袋や箱にまとめたりする作業にはどうしても人手も時間も掛かります。
各部屋にある細々とした物を仕分けるのも時間が掛かる作業ですし、家具を運び出すには腕力も必要です。さらには、捨てることのできない思い出の品や貴重品がどこかにあるとすれば、それを探すにも時間が掛かります。そうした負荷を私たちのような専門業者が引き受けることで、故人を失った心の傷を遺族が静かに癒していけるだろうと私たちは思っています。
「遺品整理」は、これまでの「形見分け」から進化した、新しい供養の形とも言えるかもしれません。